外傷では、柔道や体操、最近ではスノーボードなどのスポーツの転倒により生じます。
障害では、投球動作によって生じます。
小児期では靭帯付着部のはく離骨折を伴い
リトルリーグ肘と呼ばれます。
はく離骨折が偽関節になり青年期になってから
不安定性、痛みが出ることがあります。
靭帯自体の損傷は中学校高学年から出てきます。
繰り返す靭帯への損傷に対する靭帯の変性が原因になります。
内側、外側上顆炎は
肘関節腱付着部障害の総称です。
成長期では、骨の成長に筋肉がついていけず
腱付着部にかかるストレスが大きくなり
痛みが生じます。
筋肉の成長が追い付いてくると痛みも消えます。
成人では、テニスやゴルフによって痛むこともあるのでテニス肘、ゴルフ肘と呼ばれることもあります。
内側上顆炎は内側上顆に付着する腱にストレスがかかるとおき、
ゴルフのショット動作でなることが多くゴルフ肘と呼ばれます。
外側上顆炎は外側上顆に付着する腱にストレスがかかるとおき、
テニスのバックハンドストロークでなることが多くテニス肘と呼ばれます。
離断性骨軟骨炎は成長期におこる
野球肘の一つです。
投球動作のコッキング期から加速期
(振りかぶりからボール投げるまでの間)
にかけて生じる肘関節外反ストレスと、
腕橈関節の回旋ストレスによる圧迫剪断力が主因です。
(遺伝や骨代謝など他の原因についても議論はあります。)
上腕骨の小頭に発生することが最も多いです。
骨の摩耗→亀裂→はく離→欠損と進行していき
病期が進行すると肘関節屈曲伸展制限や
関節ネズミによるロッキングが生じることもあります。
スポーツにより肘が酷使されると
骨棘が出現し、肘屈伸動作で
骨棘が衝突することにより痛みが生じます。
多くは肘頭と肘頭窩の骨棘衝突による
フォロースルー期(振りぬき動作)での痛みです。
骨棘が大きくなると可動域制限を生じ、
骨棘により滑膜炎が生じると関節水腫(はれ)が起きます。
スポーツによる肘関節神経障害のほとんどが
尺骨神経にみられ、肘部管症候群と診断されます。
野球に多く見られ、投球動作中や肘関節屈伸動作中
、動作後に小指、薬指のしびれが強くなり握力が弱くなります。投球数の増加で「球がすっぽ抜ける」という訴えが多くみられます。
スポーツによる肘部管症候群では、変形性
肘関節症と尺骨神経脱臼が代表的な原因となります。
変形性肘関節症による尺骨神経麻痺は骨棘による狭窄が原因となります。
尺骨神経脱臼は、骨の形成不足、上腕三頭筋の発達などが原因となります。
小学校高学年までの子どもに多い外傷です。
この年代の子どもの橈骨頭はまだ骨化していない軟骨で小さく、輪状靭帯もゆるいため抜けやすくなっています。
子どもを連れて歩く際、急に腕を引っ張った際に起きやすいです。
症状としては腕が上がらない、触るだけで痛がるなどです。
手を引く前に一声かけると筋力が発揮され抜けにくくなるので
声をかけてから引くようにするといいです。